今回から数回にわたって、昨年夏のスイスにおけるセミナーについて書いてみたいと思います。
昨年の初めにシュナイト先生にジュニア・ミュージック・サマーセミナー2011の相談をさせていただいたところ、場所についての新しい提案をいただきました。
「僕の知っているチェリストの友人が、スイスのサンモリッツにとてもいい家を持っていてね。音楽ホールもあるし、湖に面したそれはそれは美しいところなんだよ。音楽の勉強のために日本から若い人たちが見えるなら、特別に貸してあげてもいいと言ってくれているのだけれど・・・」
「え~~~っ??」
「サ、サンモリッツって、あの有名なサンモリッツ?」
嬉しいやら、でも本当に貸していただけるのか半信半疑の気持ちでしたが、その後お話は順調に進んで行きました。
ところがそうこうしているうちに3月11日、あの大震災が起きました。ショックと自粛ムードの中、本当に行ってもいいのか、あるいはやめるべきかと、迷いました。しかし一方で被災された方々の応援をしながらも、私たちは普通に生活をすることが大切・・・・と聞かされ、悩んだ末決行することになりました。
そして2011年8月4日、まずは8人の生徒達と共にチューリッヒ空港に到着しました。高校2年、高校3年が一人ずつ、音大生が3人、大学院生と卒業生が3人という内訳、翌日ザルツブルクに留学中の生徒1人と、同じく留学中の息子、娘が合流して総勢12人でサンモリッツへの電車の旅となりました。
午後2時頃到着したサンモリッツの駅前は大型商業施設も、セブンイレブンやスタバもなく、 想像以上に静かでした。そしてタクシーに分乗して15分ほど走り、ついに到着したその家は大変素晴らしいところでした。
ホテル群が建つ街の繁華街とは反対の、湖のドンづまりの森のなかに、湖を見下ろす形でその建物は建っていました。周りはカラマツのような美しい木々が囲み、豪華な別荘が点在しています。
チャイムを鳴らすと、にこやかに出てきたのはシュナイト先生からお話を伺っていた、チェリストのローマン先生。やっと着いた私たちを心から歓迎してくださり・・・まずは先生の広~いリビングに通されて、早速美味しいコーヒーで歓迎してくださいました。
部屋に案内される生徒たちは何かを見るにつけ「わ~~っ、すごい、きれ~い、ステキ!」を連発しています。
翌日の午後シュナイト先生が家族を伴ってミュンヘンから車でやって見えました。
なつかしい青いフォルクスワーゲンのワンボックスカーの出現です。
前のブログに書いたように、シュナイト先生とは知り合って11年の月日が流れました。ちょうど我が家の子供たちと、先生のお子さんがほぼ同じ年頃であったため、このコースがあるたびに一緒にハイキングをしたりパーティをしたりと子供同士もいい友達になっていて、その夜はウエルカムパーティーで久しぶりの再会を祝いました。
いよいよ明日からレッスンが始まります。
外国の地にいる興奮と長旅の疲れ、レッスンを含めたこれからの2週間の日々への緊張と期待を胸にベッドに入った生徒たちでした。
種井
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