今日は少し年齢の大きい生徒たちのお話をしたいと思います。
それと共に私が主宰して、ほぼ2年に一度ドイツやスイスで行っている「若い人のためのマスタークラス」についても!
この「マスタークラス」が始まったのは2001年の夏のこと。
第一回はドイツのミュンヘンから電車で45分ほど行った美しい街、ヴォルフラッツハウゼンにおいてでした。
これよりさかのぼること数年前の夏、ちょっとしたご縁でヴォルフラッツハウゼンの「森の中に建つ家」をかなり長い間貸してもらえることになり、行ってみたところ何もかもすっかり気に入ってしまいました。
何しろご存知の方も多いと思いますが、夏のドイツはとても快適で朝早く陽が昇り、夜10時頃やっと夕方がやってくるのです。
そしてその家ときたら、緩やかな山の斜面に建っているログハウスで、何とも素敵です。
家全体が森に囲まれていて、南には子どもたちがミニサッカーができるほど広い庭が広がっています。
そのまま森につながっている裏庭にはポンとひとっとびで越えられるくらいの幅のきれいな小川が流れていて、澄み切った水の中に小さな魚が泳いでいます。夕方になるとたくさんの蛍が飛びかいます。
周りは美しい牧場や森、花々で飾られた家々、澄み切った空気と静けさ・・・
ふとシューマンの「森の情景」の美しい1節がうかびます。
多くのロマン派の作曲家たちが、そして印象派の画家たちもまた好んで描いた、「美しい森の情景」がそこにはありました。
(そしてあえて言うなら、もう半世紀以上前ですが!私の子供時代は埼玉にも東京にも、少し木々の種類は違いますが、このような森や林がそこいらじゅうにあって、誰でも散歩したり遊んだりできたものです。子供時代はよく暗くなるまでそのような森に遊んで過ごしました。)
久しぶりに木々の香りに包まれ私は、いつかこんな環境の中に生徒たちも連れてきてあげられたら・・・そしてレッスンができたら・・・と夢が膨らみました。
それから数年後、我が家の男と女の双子が中学1年生になりました。
男の子はピアノを、女の子はチェロをやっており、私の仕事柄、彼らと私の生徒たちが発表会や勉強会などで共に過ごすうちに大の仲良しになっていました。
そんな流れの中で、「よし、来年はうちの子供だけでなく、生徒のみんなも連れて行ってあげよう。」「ピアノの勉強だけでなく、ヨーロッパの文化に直接触れて、色々な刺激を受けてほしい。また向こうの人と交流を図る中で言葉を勉強することの大切さにも気付いてほしい・・・」などと考えるようになりました。
いよいよ私の夢が実現に向けて大きくなっていったのでした。
そして2001年の7月末、
わが子も含めた11人ほどの生徒たちの姿が、ヴォルフラッツハウゼンの森の中のログハウスにありました。
その模様は次回に・・・
種井
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